だいすきぶるごーにゅ(仮)

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【AOC】フランスワインのAOCとは?

AOCとは?

 

AOC ( l'Appellation d'Origine Contrôlée ) 

日本語だと「原産地呼称統制」「原産地統制名称」など。

1935年7月に制定。
ある製品をその原産地に結びつけ、生産・製造方法の規則を課すもの。

 

聞いてピンとこない方もいると思いますが、2014年に日本で制定された地理的表示法(GI)が似たようなものになるのでイメージしやすいと思います。

例)「神戸ビーフ」、「夕張メロン」、「日本酒」、「球磨(焼酎)」etc

 

これはINAO(Institut National des Appellations d'Origine )というフランスの機関が管理しています。
2008年につくられた制度でAOP(Appellation d'Origine Protégée )がありますが、こちらはEUが管理しています。

 


ワインに限らず、チーズ、バター等にもAOCは存在し、厳しい規則をパスしなければ名乗ることが出来ません。

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表記例 (左)AOC Ladoix (右)AOC Comté

 

フランスワインのAOCの数(eau-de-vie含め)363。 ※2017年 INAO調べ

その内ブルゴーニュ地方のAOCは84と多く、5分の1以上を占めます。

規定の内容は各AOCにより異なり、地域、葡萄品種、葡萄栽培・醸造、熟成等。

そして試飲検査を受けなければなりません。

 

 

 有名なRomanée-Conti ロマネ・コンティの規定の一部。あまり自信がない。

  • 主要品種はPinot Noir。区画の全体5%までは、葡萄畑の混合物としてChardonnay, Pinot Blanc, Pinot Grisは認める。

  • 葡萄の糖分は1リットルあたり198g未満。
  • ワインは少なくとも収穫の翌年の6月15日まで熟成させる。
  • ワインの自然なアルコール度数は11.5%以上でなければならない。

 
AOCは一定基準を満たした品質を保証する制度になりますが、この認証で「美味い」「不味い」が決まるわけではありません。

 


過去にAOC認可が下りず、Vin de Table(地理的表示のないワイン)になったワイン。

 


Philippe Pacalet Indigène 2005

Corton-Charlemagne になるはずが官能検査で認可が下りずVin de table に。

Indigèneは先住民とか、その土地固有の~って意味があります。

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L'interdit de Valandraud 2000, L’Interdit de Badon 2000

Jean-Luc Thunevin氏が所有する2つのワイン。

雨による害を防ぐためにビニールシートで畑を覆い、これを正当な栽培法と認められず、St-Emilion Grand CruでなくVin de Tableに。
ワイン名は「ヴァランドローの禁忌」「バドンの禁忌」エチケットは牢屋ですか(笑)
覆われてなかった区画はChâteau Valandraud, Clos Badon de Thunevinとして販売されています。

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余談

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皆さんご存知のシャンパーニュのエチケットですが、

よく見てみると"Appellation Champagne Contrôlée"になっていません。

Champagneは例外でChampagneと記載するだけでAOC名となることが認められています。